利用報告書

鮮明な印刷の実現に向けた塗料および印刷表面層組成の評価・開発
石本幸生
株式会社マサル

課題番号                :S-19-NU-0018

利用形態                :技術代行

利用課題名(日本語)    :鮮明な印刷の実現に向けた塗料および印刷表面層組成の評価・開発

Program Title (English) :Development of suitable inks and printing surfaces for clear printing

利用者名(日本語)      :石本幸生

Username (English)     :Y. Ishimoto

所属名(日本語)        :株式会社マサル

Affiliation (English)  :MASARU Co., Ltd.

 

 

1.概要(Summary )

水圧転写技術は、あらゆる形状に対して平面はもちろん、従来不可能とされていた曲面や立体面など三次曲面への加工も思いのままに実現することが可能な印刷技術である。

本技術を用いたインクジェット印刷工程で、インクジェット粒子がつぶれて隣周辺の粒子と混じることでにじむ現象が起きている。この解決に向けて、既存塗料や印刷表面層等の成分分析を行い、その組成から、配合すべき溶剤や表面コート材等の方針を検討・確立し、鮮明な印刷を実現することを目指している。本年度は、印刷紙の材料分析より着手した。

 

2.実験(Experimental)

市販の印刷紙(光沢、ラベル用紙)について、材料分析を行った。実体顕微鏡観察も加え印刷紙構成を確認した後、各構成材料をFT-IR分析(ATR)法により分析した。ATR法は、材料の表面情報を得るものであるので、材料内部の情報については、内部からサンプリングした試料を顕微法によりIRスペクトルを得た。

 

測定機器

FT-IR:JASCO社製 Ft-IR-680 Plus

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

図1に実体顕微鏡で観察した、印刷紙断面を示す。 分析した印刷紙はラベル用紙であるため、印刷紙と離型紙よりなる。ATR法による表面のFT-IRスペクトルを評価したところ、印刷紙の表面はポリ塩化ビニル (可塑剤を含む)、裏面は接着層のポリブチルアクリレート、離型紙の表面は離型層のポリジメチルシロキサン、裏面はポリエチレンであることが分かった。離型

 

図1.印刷紙の断面観察

 

紙を引き裂くことで内部を露出させると、セルロース(紙)であることが確認され、表裏が上記のものでそれぞれコーティングされている構造が確認された。

ATR法は表面より2mm程度までの情報が得られるだけであるので、印刷紙内部をサンプリングして顕微法によりFT-IRを測定したところ、内部も表面と同じ組成が確認され、単一材料よりなる印刷紙に接着剤が塗布されている構造が確認できた。

 

4.その他・特記事項(Others)

本利用にあたっては、あいち産業振興機構・松山豊様、中日信用金庫・谷口様、佐々木様、名古屋大学分子・物質合成プラットフォーム坂口佳充特任教授、技術支援員伊藤始氏の支援をいただいた。

 

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

なし

 

 

6.関連特許(Patent)

なし

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