利用報告書
課題番号 :S-16-NU-0001
利用形態 :技術代行、技術支援
利用課題名(日本語) :CB含有樹脂のNMRによる組成分析可否の検討
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :山根遼平
Username (English) :
所属名(日本語) :東洋紡株式会社
Affiliation (English) :
1.概要(Summary )
弊社で扱う材料の中には、黒顔料としてカーボンブラック(CB)を多量に添加された材が存在する。そういった材の固体NMRスペクトルが、取得可能か検証した。導電性物質が材中に含まれる場合、条件調整、およびピークのブロードニング化に関して懸念点があったため、その点に注意し、検証した。
2.実験(Experimental)
試料はCBを5%以上含む材料。主成分はポリアミドである。冷凍粉砕した試料を、7mmφローターに充填後、13C-NMR測定(DD/MAS)を行った。回転数は4500Hz。待ち時間は110秒。積算回数は2000回以上とした。
使用機器:
固体NMR (300MHz)装置
Bruker社製 AVANCE 300Wbs
3.結果と考察(Results and Discussion)
積算回数2000回程度で材料組成を反映した13C-NMRが得られる事を確認した(右図上)。170ppm付近にアミド結合のカルボニル炭素のピークが、30ppm付近に、それ以外の脂肪鎖由来炭素のピークが感度よく観測されている。
同様にして、CB量を変えた試料2種について測定を行い、いずれも同等のスペクトルが得られることを確認した(右図下)。
4.その他・特記事項(Others)
支援者:坂口佳充、林育生
導電性物質を含む固体NMR測定に関しては、知見が無かったため、初回のみ試料調製、分析条件調整を見学させていただいた。名古屋大学でNMR測定を担当されている林氏に、固体NMR分析に関する注意点を種々教授いただき、大変有意義であった。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし