利用報告書
課題番号 :S-19-MS-1098
利用形態 :施設利用
利用課題名(日本語) :Feクラスターの磁気特性の解明
Program Title (English) :Elucidation for the magnetic properties of Fe clusters
利用者名(日本語) :脇坂 聖憲1)
Username (English) :M. Wakizaka1)
所属名(日本語) :1) 東京工業大学科学技術創成研究院
Affiliation (English) :1) Institute of Innovative Research, Tokyo Institute of Technology.
1.概要(Summary )
磁気記録媒体の更なる高密度化には、極めて小さくキュリー点が室温より高いクラスター磁石を開発することが重要である。今回、デンドリマーを金属集積テンプレートとして活用することでカーボン担体上に平均粒径1.3 nmのFeクラスターを作成した。そこで磁気機能の解明を目的として、分子科学研究所ナノテクプラットフォームの装置を利用し高温域の磁気測定を行った。その結果、Feクラスターはキュリー点を488 ± 5 Kに持つことが明らかとなった。
2.実験(Experimental)
【利用した装置】
SQUID型磁化測定装置 Quantum Design MPMS-7
【実験方法】
カーボンに担持した平均粒径1.3 nmのFeクラスターサンプルを外径2.8 mmの石英管に10 mm程充填し石英ウールではさんで固定した。石英管とロッドは銅線でつなぎ、オーブンを装着したMPMS装置に挿入した。Heガスでパージ後、300 Kで安定してから20000 Oeの磁場を印加後5000 Oeにしサンプルをセンタリングした。300 Kから440 Kまでは10 K刻み、440 Kから600 Kまでは5 K刻みで昇温し各温度で磁化を測定した。標準サンプルとしてカーボンに担持したFe3Cサンプルを同様に測定した。その磁化温度曲線の二階微分の最大値をキュリー温度(483 K)として、温度を校正した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
Feクラスターサンプルと標準サンプルのFe3Cの磁化温度曲線をFigure 1に示す。Feクラスターは300 Kから昇温すると450 K辺りから磁化が急激に低下し、500 K付近でプラトーに達した。過去の検討により、Feクラスターは室温で強磁性相互作用を示すことが確認されているが、昇温に伴い480 K付近で熱エネルギーにより強磁性を失い常磁性を示すことが示唆される。磁化温度プロットに適切なスムース曲線を当てはめ、二階微分からキュリー温度は488 ± 5 Kであることが分かった。この温度はFe3Cと同程度であるため、Feクラスターは炭素を取り込んでカーバイド化されていることが示唆される。
Figure 1. The thermomagnetic curves (black circles) for Fe3C and Fe cluster at 300-600 K, measured under a magnetic field of 5000 Oe, together with the smoothing curve (blue line). The inserts show the second derivatives of the curves, respectively.
4.その他・特記事項(Others)
磁気測定に関しましてご協力を賜りました藤原基靖氏並びに伊木志成子氏(分子科学研究所)に感謝いたします。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) M. Wakizaka, T. Imaoka, K. Yamamoto, 第125回触媒討論会, 令和2年3月26日
6.関連特許(Patent)
なし







