利用報告書

Fe 置換水酸アパタイトの57Feメスバウアー分光測定
辛 韵子1)
1) 名古屋工業大学先進セラミックス研究センター

課題番号                :S-20-NI-0045

利用形態                :技術代行

利用課題名(日本語)    :Fe 置換水酸アパタイトの57Feメスバウアー分光測定

Program Title (English) :Investigation on chemical state of Fe in Fe-hydroxyapatite via 57Fe Mössbauer spectroscopy

利用者名(日本語)      :辛 韵子1)

Username (English)     :Y. Xin1)

所属名(日本語)        :1) 名古屋工業大学先進セラミックス研究センター

Affiliation (English)  :1) Nagoya Institute of Technology, Advanced Ceramics Research Center

 

 

1.概要(Summary )

液相共沈法より合成された微少量Fe置換水酸アパタイト((Ca0.99Fe0.01)10(PO4)6(OH)2)の57Feメスバウアー分光測定を実施し,試料中のFeの価数・置換サイト・局所状態について評価した。

 

 

2.実験(Experimental)

粉末試料300gをシリコーン製真空グリースと練り合わせて面積 15 mm × 15 mmの高純度Al箔に挟み込み,透過法にて室温(300K)における57Feメスバウアースペクトルを8日間測定した。

利用装置:メスバウアー分光装置,ラボラトリ・イクイップメント LN-6400 (複合システム)。

 

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

測定結果は図1に示す。合成されたFe置換水酸アパタイトの中Feの組成比が少ないため(〜0.55 wt%),試料の総量を増やすことによりメスバウアーガンマ線の透過量が少なくなり,吸収ピーク/バックグラウンド比が0.3%程度にしかならず,8日間の積算にもかかわらず,十分なS/N 比が稼げることできませんでした。また、このS/N 比では,室温で磁気秩序をもったヘマタイト相等の共存は確認できず,超常磁性化したヘマタイト微粒子等からの寄与が非磁性四極子分裂パターンに重畳している可能性はあるため,低温でスペクトルとの比較が必要になる。

対策方法として、市販のFe源試薬の代わりに57Fe源を用いて液相共沈法よりFe置換水酸アパタイトを合成し、57Feメスバウアー分光測定を再実施する予定。

図1 Fe置換水酸アパタイトの57Feメスバウアー

スペクトル

 

 

4.その他・特記事項(Others)

なし。

 

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

なし。

 

 

6.関連特許(Patent)

なし。

 

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