利用報告書

GFIS装置を用いた集束イオンビームデポジション
米谷玲皇1), 永原幸児2)
1) 東京大学大学院新領域創成科学研究科, 2) 株式会社日立ハイテクサイエンス

課題番号 :S-18-JI-0047
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :GFIS装置を用いた集束イオンビームデポジション
Program Title (English) :Deposition of Functional Film Assisted by GFIS-FIB
利用者名(日本語) :米谷玲皇1), 永原幸児2)
Username (English) :Reo Kometani1), Koji Nagahara2)
所属名(日本語) :1) 東京大学大学院新領域創成科学研究科, 2) 株式会社日立ハイテクサイエンス
Affiliation (English) :1) Graduate School of Frontier Sciences, The University of Tokyo, 2) Hitachi High-Tech Science Corp.

1.概要(Summary )
本課題の目的は、窒素イオンビーム照射による機能性膜の堆積である。
所望の位置・形状に機能性膜を作成する技術の1つとして、試料表面にガスを吹き付けながら集束イオンビーム照射を行う手法がある。この手法では、集束イオンビームのイオン種として従来ガリウムが用いられてきたが、GFIS装置を使用することで新たに窒素ビームを照射することができる。窒素イオンビームによって堆積した膜中には不純物としてのガリウムを含まないため、新たな物性を持つ機能性膜が作製できることが期待される。

2.実験(Experimental)
試料としては材質がMoSi、Quartz、Siの3種類の基板を用意し、MoSi上、Quartz上、Si上それぞれに窒素ビームを照射し、機能性膜を堆積させた。ビームの照射量、照射範囲等を変化させることで、堆積する膜の厚みや広がりに関して数水準のサンプルを作製した。なお、窒素ビームの電流量は0.1 pAに設定した。
堆積した膜の正確な厚みについてはGFIS装置で確認することはできないが、加工部に窒素ビームを照射した際の二次電子像を観察することで、膜厚の大小を定性的に検討した。
利用装置:電界電離ガスイオン源搭載集束イオンビーム装置・GFIS-FIB

3.結果と考察(Results and Discussion)
二次電子像から、MoSi、Quartz、Siそれぞれに対して膜が堆積したことを確認することができた。また、窒素ビームの照射量を増加することで膜厚が厚くなる傾向があることを確認した。
今後は、作製した試料の詳細な形状、組成、光学特性、電気特性、力学特性等に関して評価を実施する予定である。

4.その他・特記事項(Others)
本課題を遂行するにあたり、装置の立ち上げやオペレーションなどにご協力をいただいた、北陸先端科学技術大学院大学ナノマテリアルテクノロジーセンター工作室、宇野宗則氏に感謝いたします。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
(1) 小山 喜弘, 八坂 行人, 下田 達也, 松木 安生, 川尻 陵, “荷電粒子ビーム装置、薄膜作製方法、欠陥修正方法及びデバイス作製方法”, 特開2012-74194, 平成24年4月12日

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