利用報告書

IR法を用いた燃料電池用電極の相界面構造解析
吉元光児
ダイハツ工業株式会社

課題番号 :S-16-NU-0026
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :IR法を用いた燃料電池用電極の相界面構造解析
Program Title (English) :Structural analysis for interface of fuel cell electrode by IR method
利用者名(日本語) :吉元光児
Username (English) :K. Yoshimoto
所属名(日本語) :ダイハツ工業株式会社
Affiliation (English) :Daihatsu Motor Co., Ltd.

1.概要(Summary )
燃料電池電極において、触媒層中に含まれる高分子電解質であるアイオノマーの触媒表面との相互作用の有無や配向性をIR測定により明らかにすることを目的とする。

2.実験(Experimental)
室温にてアイオノマーをイソプロパノールに溶解させた後、触媒を混合した。混合後すぐにシリコンウェハー上にドロップキャストし、真空乾燥した。キャストと乾燥を3~4回繰り返し、IR測定用サンプル基板を作製した。アイオノマのみのサンプルも同様に作製し測定した。触媒のみのサンプルはKBr法により測定した。IR測定は室温にて透過法により測定した(Varian 640IR)。

3.結果と考察(Results and Discussion)
IR測定結果を図1に示す。アイオノマのみとアイオノマ+触媒を比べると、アイオノマ+触媒では2950 cm-1に新たなショルダーピークが出現している。触媒のみでは2950 cm-1付近にはピークがないので、これは、高分子鎖と触媒表面の相互作用によりピークシフトしたものだと考えられる。
このことから、アイオノマは触媒表面と相互作用していることが考えられる。

4.その他・特記事項(Others)
本研究は名古屋大学大学院工学研究科准教授
永野修作先生に指導いただいた。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

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