利用報告書

PDMS製マイクロ流路の作成
山下翔平(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所)

課題番号 :S-20-MS-0031
利用形態 :協力研究
利用課題名(日本語) :PDMS製マイクロ流路の作成
Program Title (English) :Creation of PDMS microchannel
利用者名(日本語) :山下翔平
Username (English) :S. Yamashita
所属名(日本語) :高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所
Affiliation (English) :High Energy Accelerator Research Organizaion (KEK), Institute of Materials Structure Science

1.概要(Summary )
 「マイクロ流路」は、PDMS樹脂やガラス等の基板上に微小な流路を形成した流体デバイスである。マイクロ流路内の流体はレイノルズ数(流体の運動量による影響と粘度による影響の比を表す無次元数)が著しく低くなることにより、乱流ではなく層流を生み。隣接する流体間の分子輸送をしばしば拡散にのみ依存させる。この特徴により、科学的および物理的物性を高度に制御できることから、より均質(高効率)な反応場を作成することができ、バイオ分野をはじめ、触媒分野にも応用が期待される。
本研究課題では、2種の溶液の混合を目的としたY字型のPDMS製マイクロ流路を分子科学研究所装置開発室に製作いただいた。2021年4月に完成し、現在はマイクロ流路を使った反応装置の動作確認を進めている段階にある。2021年度には放射光施設(フォトンファクトリーBL-19B)の軟X線吸収分光を利用し、マイクロサイズに集光した高輝度放射光によってマイクロ流路内に存在する流体の電子状態を空間的に解析し、混合直後に生成すると考えられる短寿命活性種の解析をはじめ、高活性な触媒反応の反応活性種の電子状態分析などの研究に繋げる。

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