利用報告書
課題番号 :S-16-NM-0022
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :SFN蛋白とSKP1蛋白の結合部位同定
Program Title (English) :Identification of binding domain for SFN in SKP1 protein.
利用者名(日本語) :柴 綾
Username (English) :Aya Shiba
所属名(日本語) :筑波大学 医学医療系 診断病理学
Affiliation (English) :Department of Diagnostic Pathology, Faculty of Medicine, University of Tsukuba
1.概要(Summary)
Stratifin (SFN)とS-phase related kinase protein 1 (SKP1)は、SKP1タンパク質上のあるリン酸化アミノ酸残基をインターフェイスとして結合することが、インシリコシミュレーションより予測された。この結果をもとに、SKP1のそのリン酸化残基を含む周辺12アミノ酸(リン酸化ペプチド、非リン酸化ペプチドの2種)を合成し、アナライトとして用いる。リガンドにはリコンビナントSFNタンパク質を用いて、ペプチドとの結合を表面プラズモン共鳴センサー(Biacore X-100)で確認する。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
Biacore X-100
【実験方法】
アミンカップリング法にてリガンドとなるリコンビナントSFN蛋白をCM5チップに固定化した。その後、HBS-EP bufferもしくはPBSに溶解したSKP1のペプチド(リン酸化、非リン酸化の2種を別々に)をアナライトとして流し、結合を解析した。陽性コントロールとして抗SFN抗体を用いた。
一方で、ヒスチジンタグの付いたリコンビナントSFNタンパク質をNTA(nitrilotriacetic acid)チップにNi2+を介して固定した。その後、HBS-P bufferに溶解した(リン酸化、非リン酸化の2種を別々に)をアナライトとして流し、結合を解析した。陽性コントロールとして抗SFN抗体を用いた。
3.結果と考察 (Results and Discussion)
始めにアミンカップリングによる固定を行うために、至適なbuffer pHを見つけるべく、pH 4.0, 4.5, 4.75, 5.0, 5.5の10mM 酢酸緩衝液を用い、pH scoutingを行った。その結果、pH 4.75が最もよくプレコンセントレーション効果を確認できたため、これを至適pHと決定した。その後アミンカップリング法によりリガンドであるリコンビナントSFNタンパク質を3,161.4RU固定化することができた。しかし、アナライトであるSKP1ペプチドを次に流してもセンサグラムはbaseline以下に箱型の動きを見せたのみで、リガンドとの結合は確認されなかった。そのため、リガンド用bufferをPBSに変更するなどしたが、結果は変わらなかった。原因の1つとしては、アミンカップリングは固定するリガンドの方向を均一にできないため、SFNタンパク質内のSKP1結合部位が露出せずに固定されているものが多かったのではないかと考えている。
そこで、固定方向を均一にするために、SFNタンパク質内のSKP1結合部位とは遠位にヒスチジンタグを付加したリコンビナントSFNタンパク質を新たに用い、Ni2+を介してNTAチップに固定する方法に変更し、現在条件検討を行っている。
4.その他・特記事項(Others)
支援機関からは、装置の使用トレーニングを受け、トラブルに対応してもらい、技術相談も受けて頂きました。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。







