利用報告書
課題番号 :S-16-JI-0049
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :SiC(0001)基板上に成長させたグラフェン膜の構造評価
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :柳生数馬
Username (English) :Kazuma Yagyu
所属名(日本語) :福岡大学工学部電子情報工学科
Affiliation (English) :Department of Electronics Engineering and Computer Science, Fukuoka University
1.概要(Summary )
以前に行った測定(利用課題番号S-15-JI-0038)の結果をゼロ層グラフェンとゼロ層グラフェンの上にもう1層のグラフェンが成長した試料(1層グラフェン)の結果と比較する必要が生じたため,本測定ではゼロ層グラフェンと1層グラフェンの断面観察を行った.福岡大学で作製した試料を当該機関に送り,FIB加工によって切り出した断面を高分解能TEM(日本電子社製 JEM-ARM200F)で観察した.
2.実験(Experimental)
試料の加工:集束イオンビーム加工装置・FIB
(SIIナノテク社製 SKI3050)
観察:原子分解能走査透過型電子顕微鏡・STEM
(日本電子社製 JEM-ARM200F)
3.結果と考察(Results and Discussion)
図(a)にゼロ層グラフェンの断面で取得したHAADF像を示す.図の上半分に規則正しく配列している輝点はSiC基板中のシリコン原子である.画像の中央部のSiC基板表面にあたる部分に白い線が確認できる.ゼロ層グラフェンは基板上にグラフェンが1枚載った構造をしているが,この白い線が1枚のグラフェンに対応すると考えられる.
1層グラフェンの結果は図(b)に示している.1層グラフェンはゼロ層グラフェンの上にもう1枚のグラフェンが載っている構造をしている.図(b)では基板上に2本の白い線が確認できることから,1層グラフェンを構成する2枚のグラフェンが観察できたと考えられる.
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表
2017年3月,日本物理学会 第72回年次大会(2017年),柳生数馬他,「グラフェンとSiC基板間にインターカレートした金属層の厚さ評価」
6.関連特許(Patent)
なし。







