利用報告書

樹脂内におけるフィラーの配向性分析
西川泰司
(株)カネカ

課題番号 :S-17-CT-0108
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :樹脂内におけるフィラーの配向性分析
Program Title (English) :Analysis of orientation of filler in resin
利用者名(日本語) :西川泰司1)
Username (English) :Nishikawa Yasushi 1)
所属名(日本語) :1) (株)カネカ
Affiliation (English) :1) KANEKA CORPORATION

1.概要(Summary)
X線小角散乱法は散乱角が数度以下の散乱X線を観察することにより、ナノスケール(1100 nm)の構造情報を得る手法である。本申請課題では、樹脂フィルムに添加した薄板状フィラーの配向性を、X線小角散乱法を用いて評価した。
2.実験(Experimental)
 高性能X線小角(高角)散乱装置(ナノスケールX線構造評価装置NANO Viewer:㈱Rigaku製)を用いて、配向性が異なる2種類のサンプル(配向性低い・配向性高い)のX線小角散乱測定を実施した。銅をターゲットとした回転対陰極管(加速電圧45kV/60mA)のCuKα線(1.5418Å)を用い、短冊状に切り重ねた樹脂フィルムサンプルの端面に露光時間12時間でX線照射を行い、2次元イメージングプレートにより小角X線パターンを撮影した(Edge View)。ベヘン酸銀(d=58.38Å、長良サイエンス㈱製)を標準試料として用いて、カメラ長(988.58mm(較正値))、散乱角の較正を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
配向性が高いサンプルでは、樹脂フィルムサンプルに直交する方向に強い散乱が確認され、フィラーが、フィルム面に水平に配向していることがわかった(図1)。一方、配向性が低いサンプルでは、散乱の異方性は確認されず、フィラーの配向はほぼランダムであることが分かった。
サンプルの電子顕微鏡像において薄板状フィラーが等間隔で積層している様子が観察されたことから、フィルム作成時に薄板状フィラーが流動配向した可能性が考えられる。そこで、サンプルに直交する方向の小角散乱プロファイルを検討したが、ブラッグ反射を観察することはできなかった(図2)。

図1 樹脂フィルムサンプルの小角X線散乱パターン

図2 直交/平行方向の小角X線散乱プロファイル

4.その他・特記事項(Others)
 本研究の遂行にあたり、千歳科学技術大学の大越研人教授に、装置の操作方法や考察についてご指導いただきました。この場を借りて感謝の意を表します。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし

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