利用報告書

電子部品用機能性薄膜の開発
茂木幸雄、堀内功
KOA株式会社 要素技術開発グループ

課題番号 :S-18-SH-0005
利用形態 :共同研究型支援
利用課題名(日本語) :電子部品用機能性薄膜の開発
Program Title (English) :Developing functional thin films for electro device
利用者名(日本語) :茂木幸雄、堀内功
Username (English) :Yukio Mogi, Isao Horiuchi
所属名(日本語) :KOA株式会社 要素技術開発グループ
Affiliation (English) :

1.概要(Summary )
 組成比の異なる2つのセンサ用抵抗膜の断面TEMおよびSTEM観察を実施した結果、両者とも基板近傍から膜厚方向に柱状構造を有することがわかった。さらに組成比の違いによって、基板近傍と柱状構造先端で結晶性が異なる可能性が示唆された。この結果がセンサ特性に及ぼす影響について、引き続き調査を進める。

2.実験(Experimental)
成膜条件を変えた、異なる組成比を持つ抵抗膜をそれぞれガラス基板上に400nm程度成膜した。その抵抗膜のTEMおよびSTEM観察を実施して膜構造の観察を行い、両者を比較した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
 図1より、どちらの条件でも基板近傍から膜厚方向へ垂直な柱状構造が形成されているが、条件②の方が柱状結晶の幅が細く、柱状構造間に隙間が多く見られることから、疎な膜であることが確認できる。また、条件①は回折コントラストがより多く見られることから、比較的結晶性が良いと考えられる。
断面STEM像から、基板近傍と柱状構造先端部でコントラストが異なることが確認できた。これは結晶性の違いを示唆している可能性がある。さらに、2つの条件でコントラストの出方に違いが見られた。条件①の方が、基板近傍から見られる白いコントラスト部分の幅が広い。サンプルの厚さが異なる可能性もあるが、結晶性の良い領域が広いことを示唆している。
これらの結果に基づいてさらに調査を進め、センサ特性に及ぼす影響について検討を進める必要がある。

4.その他・特記事項(Others)
本件実施に当たっては、信州大学ナノテクPF事業の橋本佳男教授および森本信吾氏にご協力頂いた。またTEM観察では、同大学基盤研究支援センター機器分析支援部門の山上朋彦氏に技術的支援を頂いた。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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