利用報告書

金表面に吸着した2次元多環系芳香族分子の電気化学的相転移現象の解明
吉本 惣一郎
熊本大学大学院先端科学研究部

課題番号 :S-18-KU-0056(採択通知_17)
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :金表面に吸着した2次元多環系芳香族分子の電気化学的相転移現象の解明
Program Title (English) :A Theoretical Approach to Elucidate Electrochemical Behavior and Specific Adsorption of Polycyclic Aromatic Hydrocarbons on Gold Surface
利用者名(日本語) :吉本 惣一郎
Username (English) :Soichiro Yoshimoto
所属名(日本語) :熊本大学大学院先端科学研究部
Affiliation (English) :Kumamoto University

1.概要(Summary)
多環系芳香族炭化水素(Polycyclic Aromatic Hydrocarbons: PAHs)は分子構造が明確に規定されたいわゆるナノグラフェンであり、金単結晶表面に高配向な単分子膜を形成する。申請者らは、Au(111)表面に吸着した二次元単分子膜が、過塩素酸などの酸性水溶液の電気化学界面で分子の対称性を強く反映した特徴的なナノ構造を形成することを、電気化学走査型トンネル顕微鏡(EC-STM)により分子レベルで可視化している。そこでこの特殊なナノ構造の空隙について、サイズと電子状態を計算化学的な手法から見積もることによって、電気化学界面で生じる相転移現象の理論的な理解に繋げ、PAHs単分子膜の空隙の有用性を示すモデルケースを構築する。

2.実験(Experimental)
分子構造解析システムを利用し、Au(111) 表面に吸着した二次元単分子膜の構造モデルの初期構造を製作した。分子動力学計算と分子力学計算(ともにForce field: AMBER)を行い、構造最適化を行った。得られたモデルから周期性を推定し、単分子膜の単位格子を作成し、周期境界条件を使った量子力学計算を行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)
分子力学計算による構造最適化の結果、Au(111)表面に吸着した二次元単分子膜の構造は、9個のPAHからなる金単結晶上の一辺37.5 nmのP1の繰り返し構造となり、走査型トンネル顕微鏡で可視化された分子の配列と良い一致を示した。分子動力学計算においても、分子の自発的配列化を示唆する結果を得られた。量子力学計算では、金属表面を含み、計算に時間がかかるため、今後引き続き検討する課題とした。

4.その他・特記事項(Others)
H30年度試行的利用の採択を受け実施した

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

©2024 Molecule and Material Synthesis Platform All rights reserved.