利用報告書

CNT複合めっきの開発

課題番号 :S-20-KU-0031
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :CNT複合めっきの開発
Program Title (English) :Development of CNT composite copper foil
利用者名(日本語) :伊藤 彰吾
Username (English) :ITO Shogo
所属名(日本語) :I-PEX株式会社
Affiliation (English) :I-PEX Inc.

1.概要(Summary)
めっき被膜にカーボンナノチューブ(CNT)を複合化させ、その特長を活かした自社技術を確立する。量産化においては、めっき液の安定化が課題となっており、CNTの状態の変化や化学的な性質について、種々の分析により検証したい。高品質かつ高効率な生産技術を開発し、商品化につなげる。

2.実験(Experimental)
・ラマン分光光度計
高速レーザーラマン顕微鏡
ナノフォトン社製 
Raman-touch
・X線光電子分光(XPS)
電子状態測定システム
島津製作所社製 
AXIS-ULTRA

製造工程における化学的環境の変化に対して、使用するCNTの状態の変化を、各種スペクトルによって解析した。ラマン分光では、CNTに特徴的な1300 cm-1周辺のDバンドと1500 cm-1周辺のGバンドを詳細に測定した。XPSでは、含有元素のスペクトルとシフト値から、CNT表面の化学的変化を検証した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
ラマン分光ではDバンドとGバンドの比率を、種々の状態のCNTについて比較検討した。XPSでは炭素の結合状態の違いによる比較を行った。製造工程におけるCNTの欠陥の増加を想定していたが、測定結果からは欠陥の大きな増加傾向は確認する事が出来なかった。製造工程におけるCNTの劣化状態について、CNT表面の欠陥だけではない、違った視点からの確認が必要だと考えられる。

4.その他・特記事項(Others)
測定は利光史行特任助教と荒谷弘幸氏に実施頂いた。ここに謝意を示します。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

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