利用報告書

LIB用部材の合成と評
梶原鳴雪
名古屋大学情報科学研究科複雑系科学専攻生命情報論講座

課題番号 :S-18-NU-0056
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :LIB用部材の合成と評
Program Title (English) :Formation and Estimation of Materials using LIB
利用者名(日本語) :梶原鳴雪
Username (English) :M.KAJIWARA
所属名(日本語) :名古屋大学情報科学研究科複雑系科学専攻生命情報論講座
Affiliation (English) :Graduate School, Information Science, Unit of Complex Systems,
Life Information Science, Nagoya University

1.概要(Summary )
 リチムイオン電池を構成する材料は極材、電解液、支持塩、バインダー、セパレーター及び集電体で、高容量エネルギーを有しどの材料も安全で安価であることが重要視されている。特に安全で高エネルギー密度電池材料が切望されている。今回は種〃の条件下で焼成した生成物の結合状態を固体NMR等で分析した。

2.実験(Experimental)
 熱可塑性樹脂、非金属性化合物及び水溶性酸・塩基溶液混合液について撹拌時間を変化させて反応させた。得られた固形物を適当な温度で乾燥し乾燥固体を加熱処理した。得られた固体をエッチングし乾燥固体サンプルを固体NMRで調べた。固体NMR装置は、BRUKER社製 AS300を使用し、7mmローターに試料を充塡し、室温下5000rpmにおいて29Si DD-MAS測定を行った。観測シグナルの状況により、待ち時間60秒における必要積算回数を判断しながら測定を進めた。

3.結果と考察(Results and Discussion)
撹拌速度3,000-1,000rpm撹拌時間を変化し反応させた結果、撹拌速度が速くまた酸・塩基の水量が少ないほど、混合溶液の粘性上昇が速いことが分かった。硬化体を乾燥後不活性ガス雰囲気中500-1,100℃で加熱時間を変化した。その結果加熱時間及び温度によって減量の変化が生じた。種〃の条件下で得られた焼成物を固体NMRで調べた結果、溶液の粘性があまり上昇していない前駆体はピークが観測されなかった。このことは反応が進行していないことを示唆している。溶液の粘性が著しく上昇した前駆体の焼成物はピークが観測された。したがって予想した反応が進行していることが分かった。

4.その他・特記事項(Others)
本課題の実施に当たり、測定は名古屋大学分子物資合成プラットフオームの林 育生氏に実施して頂いた。この場を借りて御礼申し上げます。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
 なし

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