ユーザーボイス、第三回目は、名古屋大学と研究を行っている、夢木香株式会社の野口様と、野々山籐屋の野々山様を取材しました!
弊社はログハウス設計施工をしています。社員全員が「木が好き」という会社なんです。
木が好きで、木のよさをもっと知ってもらおうと思っていたら、ヒノキの消臭、抗菌作用に目が行ったんですね。それで消臭スプレーの開発を始めました。
始めは分析センターに匂いなどの分析を行っていました。そこでもある一定の結果は得られたんですが、結局何がどうなってるんだろう?という核心まではわからなかったんです。
私は文系出身で実験試薬も今回初めて購入したぐらいです。ですが、坂口先生を始めとする皆さんが、一緒に考えてくれて実験を進めて下さったのが一番心強かったです。
―(坂口)分析センターのデータを持っておられたので、消臭に化学的な相互作用があるような気がしたんです。匂いの専門家じゃないからこそ、実験の経験値を活かしてラマン分析までたどり着きました。
ヒノキは実は中韓ではとても人気があります。早い段階から海外販売を視野に入れています。また、名大の皆さんと更に研究を進め、今後は消臭のメカニズムや、他の臭いの成分との相互作用についてもナノプラを通して続けていきたいです。
野々山籐屋 野々山様
―野々山籐屋さんは籐製品専門の会社ですが、籐は何が優れているのでしょうか?
籐はインドネシアに生える植物で、日本にも昔から輸入され、籐製品に加工されていました。呉服屋の床には籐が敷かれていました。籐の素晴らしさは消臭です。それに気が付いたのは数十年前、温泉の脱衣所の籐マットが老朽化したので取り変えにいったのですが、見かけはボロボロなのに、においが全くしなかった。これはすごいなと思い、消臭製品への応用に取り組み始めました。
―ナノプラの利用のきっかけは?
自社で開発した新商品のデザインをJSTと連携して行っていました。その繋がりからナノプラットを知りました。籐の良さを知ってもらうために詳しく籐の消臭効果を調べる必要があると思ったんですね。
―実際に電子顕微鏡で観察された感想は?
はじめて籐の構造を見て感動しました。またタバコの煙の吸着もはっきり煙の粒子が観察されていたので、官能試験だけでない確かな証明を得る事ができ、大変満足しています。
―(林)籐などの天然素材をSEMで観察したことは初めてで、技術職員の立場としても大変面白い仕事でした。構造も大変ユニークでしたね。タバコの実験も色々と工夫して吸着してみましたが、粒子も観察することができたのはこちらとしてもよい経験となりました。